Cline、OpenCode、OpenHandsは、いずれもファイル編集やコマンド実行を任せられるオープンソース系のAIコーディングツールです。ただし、普段使う画面、処理を動かす場所、操作の許可方法、組織での運用方法には違いがあります。
選ぶときは、モデルの賢さだけを比べるのではなく、手元の開発環境にどう組み込みたいか、どこまで自分で管理したいかを先に決めると整理しやすくなります。
IDE(開発用エディタ)で変更内容を確認しながら進めたいならCline、ターミナルを中心にモデルや権限を細かく組み替えたいならOpenCode、ローカル・クラウド・企業向けセルフホストを選び分けたいならOpenHandsが候補です。3製品ともモデルの選択肢があるため、ツール名だけで性能や費用を決めつけないことが大切です。
Cline
こんな人に
IDE上で承認しながら作業させたい
OpenCode
こんな人に
ターミナル中心でモデルと権限を設定したい
OpenHands
こんな人に
実行基盤をローカル、クラウド、企業環境から選びたい
| 比較項目 | Cline | OpenCode | OpenHands |
|---|---|---|---|
| 主な利用画面 | VS CodeやJetBrainsなどのIDE、CLI、SDK | ターミナル画面、CLI、デスクトップ、IDE連携、サーバー | ローカル画面、CLI、SDK、IDE連携、クラウド |
| 主な実行場所 | 利用者の開発環境 | 利用者の作業環境 | ローカル、OpenHands Cloud、企業向けセルフホスト |
| 操作の管理 | 原則として利用者が承認。自動承認では対象操作とリスクを選ぶ | 操作ごとに許可・拒否・都度確認を設定。初期状態の確認が必要 | 分離された実行環境でファイル編集、コマンド、テストを実行 |
| モデルの選び方 | Cline Provider、各社のAPIキー、ローカルモデル | OpenCode Zen・Go、各社のAPIキー、ローカルモデル | 各自のAPIキー、またはOpenHandsのモデル提供サービス |
| 組織運用の選択肢 | 個人向けオープンソース版と、個別見積もりのEnterprise | オープンソース本体と、任意のモデル提供サービス | Cloudと、利用者の基盤へ配備できるEnterprise |
Clineはコードベース(プロジェクトのソースコード全体)を読み、ファイル編集、ターミナルでのコマンド実行、ブラウザやMCPツールの利用まで進められます。VS CodeやJetBrainsなどのIDEを中心に使えるため、普段の編集画面から離れずにAIへ作業を頼みたい場合に合わせやすい構成です。
変更は差分(変更前後の違い)やチェックポイントで確認でき、Gitを使った作業にもつなげられます。たとえば、複数ファイルの修正を頼み、差分を確認してから次の操作を許可する、といった進め方に向いています。
OpenCodeは、ターミナル画面やCLIを中心に、デスクトップ、IDE連携、サーバーでも利用できます。ファイルの読み書き、シェル操作、Web取得といった組み込みツールがあり、独自ツールやMCPによる拡張も可能です。
コミットやプルリクエストまでの流れは、利用者のGit運用や追加ツールと組み合わせて進めます。ターミナルで作業を完結させたい人や、必要な機能を自分で組み合わせたい人にとって検討しやすい選択肢です。
OpenHandsは、ローカルの画面やCLI、SDKに加えて、クラウド版と企業向けセルフホストを選べます。エージェントは分離された実行環境で、ファイル編集、ターミナル操作、テストなどを行います。
CloudやEnterpriseでは、GitHub、GitLab、Bitbucketなどとの連携や、チケット・APIを使う作業にも対応します。個人の手元だけで使うのか、クラウドへ任せるのか、企業の基盤に置くのかを先に決めたい場合、違いが明確に出ます。
Clineは、ツールの実行を利用者が承認する進め方が基本です。自動承認を使う場合も、許可する操作とリスクを明示して選びます。AIがファイルやターミナルに触れるたびに確認しながら進めたい人には、理解しやすい方式です。
OpenCodeは、操作ごとに「許可」「拒否」「都度確認」を設定できます。一方で、初期状態ではツールが有効で承認不要となっているため、使い始める前に権限設定を確認する必要があります。細かく設定できることと、初期状態が安全であることは、分けて考えましょう。
OpenHandsで中心になるのは、操作ごとの承認というより実行環境の分離です。Enterpriseではエージェントごとに隔離したコンテナで動かし、利用者の基盤へ配備できます。承認画面の細かさを重視する場合は、導入前に、利用形態ごとの操作方法を確かめる必要があります。
Clineでは、Cline Providerのほか、自分で契約したモデル提供会社のAPIキーやローカルモデルを選べます。APIキーはOSやIDEの認証情報保存領域に置かれ、選んだ提供会社へリクエストが送られます。
OpenCodeも、OpenCode ZenやGo、自分で契約する外部モデル、ローカルモデルを組み合わせられます。コードや指示をどの事業者が処理するかは選んだモデル提供会社によって変わるため、OpenCode本体のライセンスと提供会社のデータ方針は別々に確認します。
OpenHandsは、オープンソース版、Cloud、Enterpriseのいずれでも自分のAPIキーを利用できます。ローカルやセルフホストならコードと会話を利用者の環境に置けますが、Cloudではクラウドサービスのデータ方針が適用されます。社内コードを扱う場合は、モデルだけでなく実行場所も選択の条件になります。
3製品とも、「オープンソース本体が無料であること」と「AIモデルの利用費がかからないこと」は同じ意味ではありません。各社のAPIキーを使う場合は契約先へ支払い、ローカルモデルでは利用者側の計算資源を用意します。提供元のモデルサービスを選ぶと、利用量に応じた費用が発生します。
| 項目 | Cline | OpenCode | OpenHands |
|---|---|---|---|
| 課金単位 | Cline Providerを使う場合は、AI推論クレジットだけを利用量に応じて購入する。モデル推論は原価で提供される | OpenCode Zenはモデルごとの入力・出力・キャッシュのトークン単価で従量課金。BYOKでは各提供元へ、ローカルモデルでは利用者の計算環境に費用がかかる | Cloud Individualは1ユーザー・1日最大10会話。BYOKまたはOpenHands提供のモデルを選べる。Enterpriseはユーザー数・会話数を無制限として見積もる |
| 公開されている料金 | オープンソース版は個人開発者向けに無料で、サブスクリプション料金や席料金はない。Enterpriseは個別見積もり | 本体はオープンソースで無料。モデルはBYOK、ローカル提供元、任意のOpenCode Zen・Goから選ぶ | OpenHands Localのオープンソース版とCloud Individualは無料。Enterpriseは個別見積もり |
注意
料金情報は2026年7月18日時点のグローバル向け公開情報を基準に、日本向け料金の有無も確認したものです。料金、クレジット、利用上限、モデル、提供地域は公開直前に各公式ページで再確認してください。
普段使っているIDEでAIに作業を頼み、ファイル変更やコマンド実行を一つずつ確認したい場合はClineが候補です。モデルはCline Provider、自分のAPIキー、ローカルモデルから選べるため、利用画面とモデル契約を分けて決められます。
ターミナルを主な作業場所にして、複数のモデル提供会社やローカルモデルを切り替えたい場合はOpenCodeが候補です。操作権限も細かく設定できますが、導入時には既定の許可状態を確認しましょう。
ローカルで始めたあと、クラウドや企業向けセルフホストも検討したい場合はOpenHandsが候補です。組織で使うなら、分離された実行環境やGitサービスとの連携に加えて、基盤、モデル、DNSなどの運用準備も、費用と手間に含めて考えましょう。
Q.3製品とも無料で使える?
A.オープンソース版には無料の入口があります。ただし、外部モデルのAPI、自社の計算資源、提供元のモデルサービスには別途費用がかかる場合があります。本体の料金とモデル利用料を分けて比べてください。
Q.モデルは自由に選べる?
A.ClineとOpenCodeは、外部のモデル提供会社やローカルモデルを選べます。OpenHandsも自分のAPIキーを使えます。実際に利用できるモデル、費用、データ処理の条件は、選んだ提供会社や利用形態によって変わります。
Q.企業で使うならどれがよい?
A.承認しながらIDEで使うならCline、権限とモデルを細かく組みたいならOpenCode、セルフホストや分離された実行環境まで必要ならOpenHandsを軸に比較できます。導入前に、コードの保存場所、操作権限、モデル契約、運用担当の範囲を確認してください。
確認日: 2026-07-18(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Cline
Opencode
Openhands